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キョウダイ

第3章 血の繋がり




「たまたまだよっ!」



柊斗も負けじと応戦する構えだ。


向かい合う、柊斗と海斗。


睨み合うけど、あれっ?


背の高さがそんなに変わらない。


確か海斗は180センチ以上はあったはずだ。


背が伸びたい、筋肉つけたい、と言って、プロテインとか飲んで筋トレしていた柊斗。


これは、ひょっとしたら、いい勝負になるかもっ?



じゃないよっ……!



忘れてるよっ、大事なことっ。



「ちょっと、あんたたちっ、教えてよっ!」



「はあ!?」


「なにっ?」


ぎらりと殺気立っている、二人の空気。


その視線に負けず、思いきって、あたしは聞く。


「血が繋がってないって、どういう事なのっ?ちゃんと教えてよっ。何なのよっ?」


「何だって?」


すうっと、顔色が変わる海斗。


「ああっ!」


やばいっ、て顔をして口をつぐむ柊斗。


「ちゃんと、説明してよ、柊ちゃん!」


二人の間に割り込み、柊斗を見つめる。


「おいこら、柊、どういう事だ?」

「ごめん、俺、つい、言っちゃったんだよね」

「なんだよそれ、いい加減にしろよ!何て説明すんだよ!」

「そんな事言うけどね、そもそも海斗がっ……!」

いらいらいら。

あたしの中の何かが、ぷっつん。

音を立てた。

「あんたたちっ、なんな訳っ?もうっ、だいっきらいっ!!」

叫びながらあたしは首に下げてたバスタオルを思いきり、二人に投げつけた。


「葵ちゃん!」

「葵!?」


「バカっ!!」


部屋のドアを今度はあたしが力いっぱいの音を立てて閉めた。

バンっ!

思ったよりも大きな音を立てながら、あたしは走り出していた。

もう知らないっ。

だいっきらいっ!

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