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キョウダイ

第6章 戦いの火蓋 2

海斗side




夢中で葵を抱き、後ろから激しく腰を揺らしながら、俺は思った。



違うだろ?



こんなつもりじゃなかったんだ。



自分がした事を謝るつもりだったんだ。



昨日はつい、理性がきかなかった。



明とのキス。



あんなもん見せられて、あいつ、明のやつ、キスする前にこっち見て笑いやがった。



リビングの窓からちょうど見えてしまったんだ。



それからカアッとなっちまった。



今日だって。



俺は馬鹿か?



葵が、欲しそうにしてたから、やっちまった。



悠ちゃんからの話を思いだす。



柊斗とのキスも見ちまった。



思いだすだけでイラつく。



いっその事、あいつらに、葵のこの声を聞かせてやりたい。



気持ちよさそうな、声を。



俺だけに見せる、可愛いく乱れた顔を。




どうしようもない、独占欲が首をもたげる。




昨日の事があってなおさら、火がついたように、思ってしまう。




誰にも渡さない。




俺のものだ。




無理矢理自分のモノにしたからか、余計に思ってしまう。



気持ちよさそうな葵の顔を見つめる。



もっと乱れて欲しい。



俺の事しか考えられないように。



身も心も。



こんなひどい俺を好きになってもらえないのなら。



体だけでもいい。



ずっと繋がっていたい。



朝も昼も夜も。



誰にも邪魔されない場所に連れて行きたい。



どうしようもないくらい、愛してる。



子供の頃からずっとだ。



俺はおかしいという自覚もある。



だけど、もう止められない。

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