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キョウダイ

第7章 学校でのキョウダイ






「ちょっと見てあれっ」



「すご〜いっ、勢揃いっ、超レアじゃない?」



「柊斗くん格好いいっ、気だるい色気っ」



「いやいや、海斗先輩のほうが格好良くない?」



「周防先輩もステキ」

「池田先輩綺麗〜何あのスタイルっ」

「葵ちゃんだっ、可愛い〜、小顔、ちっちゃい」

「てゆうか、オーラが凄いよね?目立つし」



学校の校内に入ると、聞こえてくる、回りの人の会話。


遠巻きに見られている。



しょうがないよね。



柊斗がお母さんの仕事の手伝いでモデルをはじめると、それはひどくなってしまっていた。



クラスメートは普通に話してくれるけど、うちのキョウダイはやはり目立つらしい。



背も高いし、顔立ちも綺麗だし。



やたらとスタイルいいし。



幼馴染みの二人も美形だし。



あたしだけ、なんか小さいし、なんか違う。







「はあ〜疲れたあ」



みんなとそれぞれ別れて。



自分のクラスでやっと一息ついた。




疲れた。




昨日からのいろいろを思いだして、あたしの頭の中はパニック寸前だ。



もう、無理。



頭も回らないし、テストなんかどうでもいい。




「なんかあったの?」




机の上に突っ伏してるあたしを見て真理ちゃんが笑ってる。



2年2組。



あたしは、真理ちゃんと同じクラス。



ちなみに海斗は3年2組。



明と同じクラス。



柊斗は1年1組。



この学校は新学期に成績順でクラスを分けている。



1組が1番優秀で7組までいくと、おバカさんという状態。



感じ悪いけど、分かりやすくいいかなと思う。



先生も教えやすいだろうし。



先生の都合で分けているのかな?




ああ、テストが始まる。



やだやだ。







「キョウダイ喧嘩って何事なの?悠ちゃんが怒るってなかなかないよね?」



優しい悠ちゃんしか知らない真理ちゃん。



ふと、思う。



産まれた時からあの家にいると言ってた、明。



明の両親は家のお父さん、お母さんと同じ高校だったみたいだし。



小学校に入学する頃にあたしは引き取られたみたいだし。



じゃあ、真理ちゃんは?



由緒正しい和風な家柄のお嬢様。

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