テキストサイズ

キョウダイ

第10章 彼氏になれない






勉強しよう。



進路の事も考えなきゃいけない。



学校を出る。



図書館に向かいながら考える。




今日も天気がいい。



空が青い。



空を眺めていたのに、葵の顔が浮かぶ。




「……!」




重症だ……。




いや、生きてるから。



どうして。



泣き顔を思い浮かべる?



笑った顔が見たいのに。






コンビニに寄り、昼飯と飲み物を買う。




自動扉をくぐった所で声をかけられる。




「あれ?藤森?」



金髪のだらしない服装。



「……よお」



良く見たら中学の時の同級生だ。



「可愛い妹ちゃんは元気?」



「まあな」



関わりたくないからすぐにその場を離れようとする。



「なになに?」



似たような茶髪の友達が現れる。



「ああ、中学の時の同級。こいつの妹、すっげぇ可愛いって話」



「えっ、そうなの?紹介して?」



「すぐやらせてくれる?」



何がおかしのか笑ってる。



俺は早くこの場を立ち去りたかった。



「そういえば、明、元気?」



「えっ、明さん?」



友達の茶髪のほうが驚いた顔をしている。




「元気だけど?」




「たまには俺達と遊んでって言ってくれよ」




「分かった」




テキトーに返事する。




「また、あのゲームしたいって言ってくれよ?」




「あのゲーム?いいねぇ」




また笑ってる。




無視して図書館に向かった。




明が誰と遊んでようが関係ないけど、葵の話がでたのは気に入らなかった。









ストーリーメニュー

TOPTOPへ