キョウダイ
第13章 朝まで抱かれて。
眩しさに目を細める。
窓の外はいい天気みたい。
カーテンから洩れる光が、柊ちゃんの部屋のベッドを照らしていた。
眩しい……。
「いい加減にしてやれって言ってんだろ?」
「海斗には関係ないよね?」
部屋の外から、海斗と柊ちゃんの声がする。
部屋のドアが少し開いてる。
だから聞こえたんだ。
「ちゃんと寝かせてやれよ、昨日はいろいろあったから疲れてるはずだ」
「昨日はいろいろあったって、なんのこと?」
「お前に言ってもしょうがねえし、俺にもわかんねえしな」
「は?意味わかんないし?」
「とにかく、もう無理させんなよ」
「無理ってなに?エッチするなってこと?」
「……!お前……!」
「それは自分にだって言えるんじゃないの?先に無理させたのは海斗のほうでしょ?」
「……!」
「中だしとか2度としないでよね?」
どうしよう……。
柊ちゃんの部屋で青ざめる。
とりあえず服をと、柊ちゃんのタンスの中から、Tシャツを着る。
大きいから、ワンピみたいになる。
その時、廊下で揉めてる二人の間に、また、新たな艶やかな声が響いた。
「へえ。おもしろい話をしてるね?」
この声は、悠ちゃんだ……。
ああ、どうしよう、落ち着かない……。
柊ちゃんの部屋でウロウロしてしまうあたし。
なおも会話は続いてる。
「めんどくさいの来たし、悠ちゃんには関係ないからっ」
「俺はただ葵に休ませてやれって言ってるだけだ!」
「葵ちゃんはちゃんと休んでるよ?そりゃあ朝まで無理させたかもしれないけど、もう昼過ぎだからね?ちゃんと寝かせてあげてるからね?」
「お前……!いちいちそんないいかたしなくても分かってんだよ!」
「なに?その腕でけんかとかやめてよね?俺もバイトがあるから顔に傷ができるのも困るし、だいたい分かってるんなら、いちいちつっかかるなっつーの!」
だんっ!
壁を殴るような音。