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Everlasting Love

第53章 それぞれの気持ち



シュボッ…


松本「…フゥー……」


初めて涼野くんと会ったのは事務所の廊下だった。


ワクワク學校について事務所で打ち合わせがあり、俺は1人会議室に呼ばれていた。


休憩の合間にタバコを吸いに喫煙室へ向かおうとした時、誰かとぶつかった。


その相手こそが涼野くんだった。


俺は涼野くんから目が離せなかった。


涼野くんはまるで磨きに磨かれたダイヤモンドのように…


光り輝いて見えた。


ペコペコと謝るきみの姿を見て、俺は……


松本『オーディション…受けるの?』


って話しかけた。


普通ならぶつかって謝られてそこで終わりなのに……


すると涼野くんはびっくりした顔で…


聖輝『えっ…はっはい…』


と、声を震わせて答えた。


まさかあれがきっかけで俺に好意を寄せてくれるなんて…何て可愛い子なのだろうか。


俺はそう思う。


でも…俺には付き合ってる彼女がいる。


いや、それ以前に涼野くんも俺も男だ。


男同士の恋愛なんて世間が認めるわけがない。


だから、結ばれる訳にはいかないって思うと…恋愛の雰囲気になる度につい冷たく接してしまった。


それがきっかけでとうとう涼野くんを本気で傷つけてしまった。


ここ最近ずっと夢に出てくるあの言葉…


聖輝『松本さんなんて大嫌い!!!』


さすがにまずいと思って涼野くんに連絡入れるも電話はもちろん、LINEの既読すらつかない。


昨日翔さんに理由を話して、スマホを借りて涼野くんに連絡したけど、俺だと分かった瞬間すぐに切られた。


完全に俺は嫌われた。


涼野くんに謝りたいんだけど…


どうすればいいのだろうか……

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