
Everlasting Love
第5章 東京
次の日。
僕は朝早くから起きて、外に出ていた。
聖輝「せっかく東京に来たから、東京見物しないとね!」
聖輝は若者の街と呼ばれる渋谷に来ていた。
聖輝「うわぁ…人がすごい…」
今日日曜日だからなぁ…余計に人が多いのかなぁ…
ドンッドンッ
道ゆく人達が互いに押しあいながら歩いていた。
聖輝「ううっ…いたっ……あっ!」
聖輝「すみませんっ…あっちょっ…すっすみません!」
僕は黒いキャップを被った男性の腕を掴んだ。
「…?!」
聖輝「あっあの…スマホ…落としましたよ…?」
うわっ…この人マスクにサングラスしてる…花粉症なのかな…
「……。」
聖輝「あっ…ちょっと…!」
マスクを着けた男は聖輝からスマホを奪い取るように取ると、何も言わずに歩いて行った。
聖輝「何あの態度…気分悪いなぁ…」
東京の人って…みんなこう冷たいのかなぁ…
僕は神戸で生まれ育った。
お父さんとお母さんは2人とも東京出身でずっと東京にいた。
2人が結婚してしばらくしたら、お父さんの転勤が決まり、神戸に引っ越して来た。
その後に僕が産まれた。
関西で生まれ育ったら関西弁が自然と移るらしいけど…僕はそうならなかった。
小さい頃から病弱で、小学生の時は体育の授業はほとんど見学で、友達と外で元気に遊ぶことができなかった。
中学生になってからはみんなと同じ運動をすることができるようになったけど…体育の成績は平均並み。
僕は生まれつき喘息を患っていて、今でこそすごく落ち着いてきたけど、小さい頃は酷かった。
お父さんとお母さんにものすごく迷惑をかけた…
一人暮らしするって話をした時最初すごく怒られたけど…いつまでも甘えてはいられない。
僕は東京にいる人は人情がなく誰に対しても冷たいというイメージがある。
偏見って思われるけど…東京に来て分かった。
昨日のサングラスの人だって、注意していた姿はカッコよかったけど…ぶつかった時の僕に対する態度が冷たかった。
そしてさっきあった人…あの人こそ僕がイメージしていた東京の人そのものだった。
正直腹が立った。
一言くらい何か言ってもいいところなのに…もう二度と会うことは無いけど…
ハァ…僕…東京でやっていけるのかなぁ…
