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心はまるで水車のように

第6章 惹かれていく心

 それから、優祐さんとは、たびたびなんばで会うようになった。と言っても、私が夜まで時間を潰しているからなのだが……。

 ある日、いつものファーストフード店でずっと疑問に思っていることを聞く。

「なんで、優祐さんは何も聞いてこないんですか? 毎日のようにこうしてここにいるのに……」

「話さないってことは、話したくないってことだと思うから。無理に訊くことでもないでしょ?」

 あぁ、なるほど。大人は考えることが違うなと思った。でも、私は話したくないわけでも隠したくないわけでもない。だから、私は母親のことを話す。優祐さんは相槌を打ちながら聞いてくれる。

「……お母さんも悪気があったわけじゃないと思うよ。僕も昔、母親と喧嘩してね。まあ、いわゆるお互いの誤解というか、なんというか……。でも、無理にお母さんの意見を受け入れる必要はないと思う。大切なのは、美羽ちゃんの気持ち。心の整理がつくまでは、そっとしといていいんじゃないかな」

 優祐さんの意見にやっぱりこの人は大人だなと思った。肯定も否定もしない。それが心地よかった。

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