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心はまるで水車のように

第7章 パピヨン

 それから二ヶ月の月日が流れ、梅雨。お母さんと私は相変わらずで、けれど結婚する素振りを見せるわけでも相手の男性と会うわけでもなく……。ただ、なんとなくばつが悪くて話せずにいた。

 雨ばかりの毎日。ふらりとペットショップに立ち寄る。ショーウインドウの中の子犬や子猫たち。この狭い世界から出たいと言わんばかりにこちらを見つめてくる。

「ごめんね。私には飼ってあげられないの」

 ぽつりと呟いて俯いた。次に顔を上げると耳をピンと立てて、尻尾を振っているパピヨンと目があった。それがなんだか優祐さんの笑顔そっくりで、思わず笑みが零れてしまう。

「珍しいね。こんなところにいるなんて」

 ふいに肩に手が乗ってきた。隣を見ると今、まさに考えていた人がいる。

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