テキストサイズ

心はまるで水車のように

第8章 出会いカフェ

 もうどうなってもいいや。気づいたら優祐さんから初めに逃げた裏路地に来ていて、一軒の店に入った。そこは、出会いカフェ。

「私でも大丈夫ですか?」

「君、何歳?」

「十八歳です。今年高校を卒業しました」

 咄嗟に嘘をついた。

「うん。なら大丈夫だけど、君、びしょ濡れじゃないか。貸し出しのセーラー服に着替えてきてよ」

「はい」

 案外あっさりしていて拍子抜けだ。もっと詳しく色々あるのかと思っていた。セーラー服を着て、受付のおじさんのところに戻る。

「おっ! さまになってるじゃないか! 初々しいねぇ……」

「ありがとうございます」

 思ってもみなかった褒め言葉。頬がゆるんでしまう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ