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心はまるで水車のように

第10章 発覚

「おいっ! お前、何してんだよ!?」

 男と繋いでない方の手を強く掴まれる。後ろを振り返ると見慣れた顔。瞬がいた。そういえば、最近会っていなかった。着信は何度かあったが無視していた。というより出られなかっただけなのだが……。

「美羽ちゃんの彼氏かな?」

「違います! 行きましょ」

 私は男の手を引いて、中に入ろうとする。瞬の手を振り切ろうとするがなかなかうまくいかない。

「……美羽ちゃん、また今度ね。今日はもういいわ」

 男は繋いでいた手を離し、去って行く。

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