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心はまるで水車のように

第12章 心はまるで水車のように

「いや、ええよ。そりゃ、俺みたいにヘラヘラ笑ってたら、言いたくもなるの分かるし。で、まあ、そんな荒れた俺やったけど、今働いてる親方に万引きしようとしたとこ見られてん。親方は、頭ごなしに怒鳴らずに俺に理由を聞いてくれた。俺が話すと大変だったなって頭撫でてくれて、俺は親方の腕の中で泣いた。それ以来、俺は更生して、親方の元で塗装屋として働くことになったんだ」

「結構、深いんだね……」

「まあな。でも、あんま楽しい話でもないし、俺は俺の人生を頑張るって決めたから、また自然と明るくなったんだ。少ししてから、親方と一緒に、父親の元に話に行った。父親と俺は和解した。父親は今、施設で治療してる」

「大変だったんだね」

「ほら、俺は話したんやから、美羽も俺に話してみ。俺も話聞かなわからんしさ……」

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