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心はまるで水車のように

第2章 瞬との出会い

「うるさいわね! そこまで言われる筋合いある!? ってかあなた誰よ?」

「ふふっ……ごめん、ごめん。俺は、木崎瞬一(キザキ シュンイチ)。瞬って呼んでよ。で、君は?」

「中條美羽(ナカジョウ ミウ)」

 なんでこんな奴に教えなきゃいけないんだ。なんて思いつつ、自分が聞いたのだから仕方ないとぶっきらぼうに言ってやる。

「木崎―そろそろ休憩終わりだぞ!」

「はーい。じゃ、美羽な。しばらく、ほら、あそこのビルで塗装してる予定だから、またな!」

 瞬は、家の方に走って行く。……そういえば、急いで家を出てきたから財布がないや。出会ったばかりの人にちょっと心苦しいけど、借りるしかないか。

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