心はまるで水車のように
第4章 優祐との出会い
「あーあ……終電逃しちゃった」
「ごめんなさい」
男性の言葉に素直に謝り、落ち込む。でも、この人が勝手について来ただけで、私は悪くない。うん。
「まあ、いいや。とりあえず、この道出ようか」
「あ、はい」
男性は歩き出し、私はそれについて行く。その間、お互い無言。
「お腹空かない? ファーストキッチンでも行く? 始発までまだまだ時間あるし」
駅の近くまで行くと男性が口を開いた。
「あ、はい」
私たちは、駅前のファーストフード店に入る。
「チーズハンバーガーセットで。ホットコーヒー。君は?」
「あ、お茶で」
「何も食べないの?」
「……お金ないので」
私が言ったすぐ後に、ご飯を欲しているかのようにお腹がぐぅぅと鳴る。私の馬鹿。恥かしくて顔を上げられず、俯く。
「同じのもう一つでウーロン茶」
「えっ?」
「僕が出しますよ」
顔を上げた私の目の前には微笑む男性の顔。私はふるふると首を振る。
「子どもは素直に甘えときなさい。何も後で返してなんて言わないからさ」
ぽんぽんと頭を撫でられる。男性に頭を撫でられたことなんて今までなく、どうしたらいいのか分からずにまた俯いてしまう。
「あ、はい」
「そうそう、最初から素直になればいいのに」
注文の品がトレーで出てきて、私達は二階の禁煙席の窓際の席に座る。
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「ごめんなさい」
男性の言葉に素直に謝り、落ち込む。でも、この人が勝手について来ただけで、私は悪くない。うん。
「まあ、いいや。とりあえず、この道出ようか」
「あ、はい」
男性は歩き出し、私はそれについて行く。その間、お互い無言。
「お腹空かない? ファーストキッチンでも行く? 始発までまだまだ時間あるし」
駅の近くまで行くと男性が口を開いた。
「あ、はい」
私たちは、駅前のファーストフード店に入る。
「チーズハンバーガーセットで。ホットコーヒー。君は?」
「あ、お茶で」
「何も食べないの?」
「……お金ないので」
私が言ったすぐ後に、ご飯を欲しているかのようにお腹がぐぅぅと鳴る。私の馬鹿。恥かしくて顔を上げられず、俯く。
「同じのもう一つでウーロン茶」
「えっ?」
「僕が出しますよ」
顔を上げた私の目の前には微笑む男性の顔。私はふるふると首を振る。
「子どもは素直に甘えときなさい。何も後で返してなんて言わないからさ」
ぽんぽんと頭を撫でられる。男性に頭を撫でられたことなんて今までなく、どうしたらいいのか分からずにまた俯いてしまう。
「あ、はい」
「そうそう、最初から素直になればいいのに」
注文の品がトレーで出てきて、私達は二階の禁煙席の窓際の席に座る。
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