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『さちこ』

第2章 時の魔女

「…ど…ど…ドッキングピングー」

ベッドにいるほうの祥子が言いたいのは恐らくドッペルゲンガーであろう。

「私は時を操る魔女、サチコ」

祥子(仮)改め、魔女サチコが口を開いた。

「だから、ワシのあれじゃろ…あれ…えーと、ドッペンゲルガー」

「違う。時の魔女サチコ。それに、ドッペンゲルガーじゃなくてドッペルゲンガーね…」

それだけ言うと魔女サチコはまた光り始めた。

光がおさまった時、祥子そっくりの老婆だったサチコは若い女性に姿を変えていた。

ただし…

「やっぱりワシ…か?」

それは20代の頃の姿の祥子だった。

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