『さちこ』
第2章 時の魔女
「佐々木祥子、もしもお前が望むなら、お前の時間を戻してやろう。29歳の誕生日を迎えた日までな」
「…なんで29?」
「…私は肉が好きなのだ。ニクだから29。なんか文句あるか?」
「若返ってやり直せと?」
「若返りたいのじゃろ?過去への後悔と未来への不安だけを抱えて今を生きてこなかった自分の時間を取り戻したいのじゃろ?だから、29歳まで戻してやる。そこからやり直せ。」
「…そんなウマイ話があるか。なんか裏があるんじゃろ?」
祥子は話に乗らない。
「何、29歳じゃ不満か?もっと若返りたいのか?」
「この年になるまで辛いの我慢して働いて、もう少しで年金が貰えるようになると言うのに、若返って、また何十年も辛い思いして働くのは嫌じゃ…」
「じゃあ、このまま貯金と年金で病院代を払いながら死ぬまで寝たきりでいるかい?」
サチコが意地悪そうな笑みを浮かべて訊ねる。
「ふんっ…」
祥子がサチコを睨み付ける。
「…なんで29?」
「…私は肉が好きなのだ。ニクだから29。なんか文句あるか?」
「若返ってやり直せと?」
「若返りたいのじゃろ?過去への後悔と未来への不安だけを抱えて今を生きてこなかった自分の時間を取り戻したいのじゃろ?だから、29歳まで戻してやる。そこからやり直せ。」
「…そんなウマイ話があるか。なんか裏があるんじゃろ?」
祥子は話に乗らない。
「何、29歳じゃ不満か?もっと若返りたいのか?」
「この年になるまで辛いの我慢して働いて、もう少しで年金が貰えるようになると言うのに、若返って、また何十年も辛い思いして働くのは嫌じゃ…」
「じゃあ、このまま貯金と年金で病院代を払いながら死ぬまで寝たきりでいるかい?」
サチコが意地悪そうな笑みを浮かべて訊ねる。
「ふんっ…」
祥子がサチコを睨み付ける。