しなやかな美獣たち
第2章 ♠:What is Love?【純愛ホラー・BL】
時折、俺を見上げるヤツの目に、ゾクゾクした。ってか、俺は男にも感じる変態野郎だったのかぁ~!!!
そう思いながらも、身体は勝手に欲望の吐き出し口を求めて、膨れ上がる。
「うふふっ!あと少しだね?」
俺の分身を扱きながら、ヤツは俺の顔を見上げると、再びそれを口に含み頭を動かした。
「うぁっ…!だめだっ!!出っ!!」
そう言った瞬間には、俺の分身からは白い欲望が放たれていた。
幽霊はそれを喉をゴクッゴクッと鳴らしながら全て飲み干す。ヤツはご丁寧にお掃除までしてくれた。
暫く放心状態の俺。
その間に奴はさっさとAVを止め、ケースに収めると、元の棚に片付ける。俺の股間をティッシュで拭き、パンツとスウェットまで穿かせてくれた。
面倒見の良い幽霊のようだ。
俺は魂が戻って来ると、テーブルを挟んで幽霊と向かい合って座っていた。
「ってか、どう言う事!?俺に何の恨みがあってこんな事を?」
俺は肩肘をテーブルに付いて顎を支え、もう片方の指先でトントンとテーブルを叩く。苛々した時に俺がよくやる癖だ。
「別にキミに恨みがあるわけじゃないよ?キミを呪い殺そうとかも思ってないし…」
そう言って奴はニコリと笑う。
…って言うか、俺って順応早くないか?今まで幽霊なんて見た事もないからなのか、それとも頭の螺子が飛んでっているのか。
幽霊とこうして向かい合って話をしている自分が奇妙でならない。