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しなやかな美獣たち

第2章 ♠:What is Love?【純愛ホラー・BL】


「じゃあ、何で俺の前に突然出て来たの?」

「んん~?キミのアレが美味しそうだったから?」

「…ってかアンタそっち系な人なんだ…」

「うん。そう」

彼の身の上話を聞くとこう言う事だった。

この部屋で、恋人(男)と暮らしていたらしい。彼はオカマではなくてゲイ。しかし彼の恋人はバイ・セクシャルで女性もイケる口。

恋人は女を作って部屋を出て行った。その時の台詞が『お前は子供を産めないだろ?』だったそう。それに絶望して首を括って死亡。

「そりゃあ同情するけどさ…。仕方がないじゃん。本当の事だし…」

「でもっ!子供が欲しければ養子って方法はあるしっ!実際にそれで幸せに暮らしているカップルだって居るしっ!!」

「そう言う人も居るかも知れないけど、男が精子を出すのは、自分の子孫を残すためだぞ?他人の子供より、自分の子供の方が良いに決まってんだろーよ?」

「それはっ!!……そうかも知れないけど…」

「んで?アンタはどうしたいわけ?」

「分からない…。何で成仏しなかったのか…。彼に捨てられた時、もうこの世に未練なんてないって思っていたのに…」

そう言うと彼は俯いた。肩が震えている。きっと心が泣いているんだろう。

「分からないんじゃ、協力出来ないじゃん?このまま、ここに居座るつもり?そうしてずっと、この部屋に住む人を喰ってくつもり?」

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