しなやかな美獣たち
第2章 ♠:What is Love?【純愛ホラー・BL】
そうして幽霊との奇妙な同居生活が始まった。
「言っておくけど、俺はノーマルだ。可愛い女の子をゲット出来たら連れ込むし、AVも見るからな!!」
俺はビシッとそう宣言しておいた。彼は俺が彼の存在を受け入れたのが嬉しかったのか、『うん!分かった』と答えた。…のだが。
「どうして、女と良い雰囲気になると出て来るんだよ?しかも、恨みがましい顔して…。ビビッて帰っちまったじゃねーか!!」
「ゴメン…。だって寂しかったんだもん…」
俺が怒るとヤツはシュンとする。しかし、次の瞬間には復活し、『僕がしてあげる』と言って俺を押し倒す。
「だっ!止めろっ!!俺にそんな気は…」
そう言いながらも流される俺。あっさりヤツの餌食となってしまう。
そんな生活が半年程続いた。
ヤツのせいで彼女が出来ない。最初の内は、彼女の家に通えばいいのだが、女の子と言うものは、付き合い始めると家に来たがる。
要するに一人暮らしの男の世話を焼きたがるのである。それは嬉しい事なのだが、俺の部屋にはオプションが付いている。
そう言った事情を話すと、俺が他の女と同棲しているのではないかと疑いの目で見る。仕方が無いから、俺は部屋に彼女を呼ぶ事になる。
そして彼女達は目にするのだ。恨めしそうに自分を見る幽霊の姿を。
彼女達はヤツの姿を見ると家には寄り付かなくなり、俺は呪われていると見なされ、振られるのだ。