しなやかな美獣たち
第2章 ♠:What is Love?【純愛ホラー・BL】
「そんな白状な女なんて止めておいた方がいいよ?キミの事を本当に愛していたら、何とかしようって思うものじゃない?」
何度目かの失恋をした時に、ヤツはそう言った。
確かにそれは言えているのかも知れない。本気で俺の事を想ってくれているのであれば、一緒に問題を解決しようと思ってくれてもいいものだ。
しかし、コイツさえ出てこなければと思う事もある。何でコイツは俺の邪魔ばかりするんだ。
「それはキミの事が好きだからに決まってるじゃない?」
そう言ってのしかかって来る。何だろう。段々これに慣れて来ている自分がいる。
最近の俺の性欲の処理係は、コイツだ。AVも見なくなったし、合コンに出る事も殆どなくなった。
この状況はヤバくないか?
俺…。コイツに連れて行かれる!?
「そんな事しないって言ってるじゃない!僕はキミとこうしていたいだけなんだ…」
そう言うと俺をヤツは組み敷く。妖艶な微笑みで俺を上から見下ろし、ぺろりと舌を出して唇を舐める。
その綺麗な獣のような瞳に、縛られて俺は動けなくなる。
ヤツの綺麗な顔が近付いて来ると、俺は自然に瞼を閉じて彼の口付けを受け入れてしまう。
いつの間にか、そうするのが自然になっていた。ヤツが長い月日を掛けて、親友を落としたように、俺も落とされたのだろうか。
今夜も俺はヤツの口の中に、自分の精を吐き出した。