しなやかな美獣たち
第5章 ♥:最後のキスは死神と【ファンタジー・NL】
「ちょっ!? 何すんのよっ!?」
あたしはもがきながら、死神男の手から逃れようとするが、男の目がピカッて光った瞬間、あたしの身体は硬直し、身動きが出来なくなってしまった。
「無駄な足掻きは止めろ。人間のあんたじゃ、俺には逆らえないんだから」
そう言うと男は、あたしの身体を弄(まさぐ)り始める。
(ふぇぇぇぇ……。あたし、これから何されるのぉ? )
「何ってえっちな事に決まってんじゃん。あんたを連れて来た目的はそれなんだからさ?」
死神男はそう言って、赤い舌でペロッと唇を舐めた。そしてその舌で、あたしの胸の頂きを擽(くすぐ)り始める。
(嫌だ! 止めてよっ)
そう思ったのに。あたしの身体と心は直ぐに抵抗を止めた。エッチなんてそんなに好きじゃなかった筈なのに。愛する隼人に抱かれていた時だって、時々、早く終わらないかなって思ってたくらいなのに。死神男の舌が、あたしの胸の尖りに絡みつく様に動くと、身体がカッと熱くなって、今まで感じた事のない疼きを訴えはじめたのだ。