甘酸っぱい果実のその果てに
第5章 対峙
その週の日曜日。チャイムが鳴り、玄関を開けると優祐さんが立っていた。
「どうして……?」
日曜日はいつも家族と過ごしているはず。それに社長にあんな風に言われたところなのに……。頭には疑問符しか浮かばない。
「少しだけ、時間があったから。来るのは今日で最後にする。ただ、どうしても、最後に一言だけ。優衣、僕は……。僕は、優衣のことが一番――」
肝心な一言を聞き取る前に隣の玄関が開いた。眠る赤ちゃんを抱きかかえた隣の奥さん。続いて、普段の作業着とは違って、黒のダウンコートにジーンズの旦那さんが出てくる。
「どうして……?」
日曜日はいつも家族と過ごしているはず。それに社長にあんな風に言われたところなのに……。頭には疑問符しか浮かばない。
「少しだけ、時間があったから。来るのは今日で最後にする。ただ、どうしても、最後に一言だけ。優衣、僕は……。僕は、優衣のことが一番――」
肝心な一言を聞き取る前に隣の玄関が開いた。眠る赤ちゃんを抱きかかえた隣の奥さん。続いて、普段の作業着とは違って、黒のダウンコートにジーンズの旦那さんが出てくる。