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甘酸っぱい果実のその果てに

第5章 対峙

「……優祐さん? なんでこんなところに?」

「美羽(ミウ)? 今、優祐さんって言ったんか? こいつが……こんのっ」

「瞬(シュン)、やめて!」

 旦那さんが優祐さんに殴りかかろうとするのを奥さんが止める。

「でも……」

「ええねん。七年半も前のこと。瞬、悪いけど、先、下で待っててくれへん?」

 旦那さんの声に驚いて起きて泣いている赤ちゃんを渡す奥さん。

「でも……」

 それでも、渋い顔をする旦那さん。

「大丈夫。必ずすぐ降りるし、今更、瞬への気持ちは変わらへんよ。あんたは、あたしの世界で一番の旦那様やろ?」

「わかった。じゃ、世界一の奥様、下でいい子にして待ってんで」

「もう、ちゃかしなや」

 こんな時なのに、笑ってしまった。もう羨ましいとか超越して、愛すべきバカップルならぬ、バカ夫婦だなぁと思った。

 旦那さんは、奥さんに言われた通り、階段を下りた。

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