甘酸っぱい果実のその果てに
第5章 対峙
「優祐さん、覚えていらっしゃらないと思いますが、中條(ナカジョウ)美羽です。結婚して木崎(キザキ)になりましたが……」
優祐さんは、さっきから誰? という感じで首を傾げている。
「やっぱり覚えていないですよね。夜のなんば。私、あの時、本当に傷ついたんですよ。今だから言いますが、優祐さんのこと本気で好きでした。人のせいにはしたくないので、優祐さんを責めたりはしませんけど、その不用意な優しさ。曖昧な態度が女性を傷つけるんですよ?」
「あぁ、あの時の女の子。お母さんとはどうなったの?」
優祐さんは、この子、美羽ちゃんのことを思い出したようだ。
優祐さんは、さっきから誰? という感じで首を傾げている。
「やっぱり覚えていないですよね。夜のなんば。私、あの時、本当に傷ついたんですよ。今だから言いますが、優祐さんのこと本気で好きでした。人のせいにはしたくないので、優祐さんを責めたりはしませんけど、その不用意な優しさ。曖昧な態度が女性を傷つけるんですよ?」
「あぁ、あの時の女の子。お母さんとはどうなったの?」
優祐さんは、この子、美羽ちゃんのことを思い出したようだ。