甘酸っぱい果実のその果てに
第6章 再会
会社に三泊四日ほどの休みを貰い、北海道に帰ってきた。まだ雪が残っていて、春もすぐそこだと言うのに寒い。
お通夜には俊哉も来てくれていた。私達が別れたことは両親も知っているが、両親同士は仲が良かったようで、呼ばれたようだ。それに別れた理由は、結局言わずじまいだった。
「優衣、ちょっといいか?」
「うん」
私が頷くと、俊哉について会場の外に出た。
「ごめん」
久しぶりに会う俊哉は、あの頃よりも随分と痩せていた。八年ぶりくらいに会う俊哉は、少し大人びてはいたけれど、その雰囲気は何一つ昔と変わっていなかった。思い出す。桜の木の下の約束。海ではしゃいだこと。紅葉を見に行ったこと。札幌雪まつり……。
お通夜には俊哉も来てくれていた。私達が別れたことは両親も知っているが、両親同士は仲が良かったようで、呼ばれたようだ。それに別れた理由は、結局言わずじまいだった。
「優衣、ちょっといいか?」
「うん」
私が頷くと、俊哉について会場の外に出た。
「ごめん」
久しぶりに会う俊哉は、あの頃よりも随分と痩せていた。八年ぶりくらいに会う俊哉は、少し大人びてはいたけれど、その雰囲気は何一つ昔と変わっていなかった。思い出す。桜の木の下の約束。海ではしゃいだこと。紅葉を見に行ったこと。札幌雪まつり……。