甘酸っぱい果実のその果てに
第7章 再出発
「全部聞いた。ほんなにごめんな。全部、俺のせい。あの時――」
「聞きたない。もう忘れたわ。あんた不思議に思わんかったん?」
「え?」
私の言葉に驚く俊哉。
「なんで電話かかってきたんって、知らん間に携帯見られてたんやと思う。それは最低やけど、それは置いといて、私の携帯もな、会社の男の人以外、優祐さんと俊哉の番号しか入ってないねん。もう、こうなったん責任取ってや。この大阪弁もあんたがまた戻してや? 私と結婚する覚悟ある? 約束できるんか? 相当、我慢しててんで?!」
堪えていた想いが爆発する。ああ、私はまだ俊哉のことがこんなにも好きだったのか。あの時以外はいつだってそうだった。私の欲しい言葉を俊哉はくれる。好きだとかそんな簡単な気持ちで片付けられるような想いではなかった。だからこそ番号もメールアドレスもずっと消せないでいた。北海道に戻るとなった時、本当は少し期待していたのかもしれない。
「聞きたない。もう忘れたわ。あんた不思議に思わんかったん?」
「え?」
私の言葉に驚く俊哉。
「なんで電話かかってきたんって、知らん間に携帯見られてたんやと思う。それは最低やけど、それは置いといて、私の携帯もな、会社の男の人以外、優祐さんと俊哉の番号しか入ってないねん。もう、こうなったん責任取ってや。この大阪弁もあんたがまた戻してや? 私と結婚する覚悟ある? 約束できるんか? 相当、我慢しててんで?!」
堪えていた想いが爆発する。ああ、私はまだ俊哉のことがこんなにも好きだったのか。あの時以外はいつだってそうだった。私の欲しい言葉を俊哉はくれる。好きだとかそんな簡単な気持ちで片付けられるような想いではなかった。だからこそ番号もメールアドレスもずっと消せないでいた。北海道に戻るとなった時、本当は少し期待していたのかもしれない。