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甘酸っぱい果実のその果てに

第8章 甘酸っぱい果実のその果てに

 三年後。

「へぇ~。北海道ってほんま雪凄いねんなぁ」

「俺らも呼んでくれてありがとうございます」

 雪の降り積もる教会。妊娠して少し出たお腹に純白のドレスの私。白のタキシード姿の俊哉。今日は私と俊哉の結婚式だ。結婚式には、北海道に一度も来たことがないという元隣人、木崎一家も呼んだ。息子くんは、もう三歳になる。
あの一件以来、美羽ちゃんとは仲良くなって、文通をしていたのだ。携帯のほうも知っているが、美羽ちゃんがメールも電話も苦手だと言うから。

 文通で知ったこと、田舎だと思っていた和泉中央には、ショッピングモールであるららぽーともあり、その隣にはコストコもあったらしい。

 あほ! 田舎ちゃうわ! と怒られた後に、昔、私も瞬に田舎、田舎言うてたら怒られたとも書いてあって、手紙を見ながら笑いが止まらなかった。

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