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宇宙

第1章 もう一人の私

『ガチャガチャ』
車を開けようとする音が鳴り絢の心臓は針が突き刺さり飛び跳ねたようにドクンと鳴った。
➖ママかな?でも戻ってくるの早すぎない、、?怖いよ。
「絢開けて」
その声は真希の声だった。
絢は安堵感で急いでブランケットを取り運転席の窓の方を見た。

『キャーーー!!』
恐怖のあまり声がうまく出ず心の中で叫び、咄嗟に体が退けた。絢の目はピンポン玉のようにまんまるに見開き、心臓が一瞬停止したかと思うほど硬直し静まりかえった。
そこにいたのは懐中電灯を顎の下から照らして不気味に笑っている真希だった。
「ママ、、、」
真希だと気付いた絢は急いで車の鍵を開け、真希を中へと入れたが絢の怒りはだんだんと頭の頂上まで上がっていった。
『ママー!何でこんな不気味なところでイタズラするのよ!本当に怖かったんだから!生きた心地しなかったんだから!』
「絢、ごめんね。そんなに、驚くとは思わなかったのよ。ママを許して。」
真希の言葉にツンと反対側を向こうとおもったが横の窓を向くのが怖くて下に顔を向け、ぶっきらぼうに言った。
「で、何しに行ってたの?」
「あれをみて、ネオン1号よ。」
真希が腕を伸ばし、指で真正面を指しているのが視界に入った。
絢はしゃくだったが、それよりも目の前に何があるのか興味の方が勝り、顔を上げた。そこには車のヘッドライトに照らされた、謎の巨大な卵があった。
「何あれ、、あれがネオン1号??」

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