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宇宙

第1章 もう一人の私

絢も真希の横に近づきしげしげと操作機を見つめた。操作機はビニール袋を被せていたのもあって、傷もなく綺麗に保管されていた。
「この操作機ね、機械音痴なママでも扱えるようにって作ってくれたの。赤いボタンは危険な時に押すの。黄色はスタートボタン。あと、この湯気のマークがついたボタンはコーヒーが出てくるの。ここの壁にうっすらした線が入ってるでしょ?そこから出てくるの。」
カーブを描いた壁にうっすらと四角い線があり、そこをコンコンと叩いた。
「・・・コップのマークの方が分かりやすくない?」
「でしょ?思わずママも突っ込んだわ、銭湯でもでてくるの?って」
「パパ、そういうとこセンスないもんね。この女の人のマークは何?話し相手になってくれるの?」
もう一つの最後のボタンには楕円形の帽子を被ってスカーフを首に巻いている女の人のマークが写っていた。
「おしいわね、この女の人のマークは案内人のようなものよ。このボタンを押しながら行きたいところを隣のスピーカーに向かって言うと自動で案内してくれるの。だから操作する技術なんてなくても誰でも出来るのよ。ね、簡単でしょ」真希は自分にも再度確認するように一通り操作方法を説明した。
確かにこれなら機械音痴なママもその遺伝子を受け継いだ私にも簡単に操作できると絢は思った。

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