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宇宙

第1章 もう一人の私

住み慣れた家に少しの実感も湧かず玄関を開け中へと入る。
時刻は8時20分。
ドドド、、、、
階段を勢いよく降りる音が家中に響き、もう一人の絢が姿を現した。
目ざとく真紀子を見つけるや否や、絢にとって耳の痛い台詞を言った。
「何で起こしてくれなかったの?!」
「真紀と絢を迎えに行くって言ったでしょ。学校も休みの連絡入れてますからね。早く顔を洗ってきなさい。」
絢子は寝癖のついた髪の毛をかきあげ、寝ぼけた頭は困惑しているようだったが、すぐに絢と真希の存在に気づいた。
絢子は嬉しさのあまり目をくわっと開き「絢ー!」と駆け寄り、勢いよく抱きついたのだった。
「絢、来てくれたんだね。ママから聞いてたよ」
絢は客観的に自分をみて少し照れくさかったが、それと同時に嬉しくも思えた。
「絢、こっち、こっち」
そう言いながら絢の背中にまわり、両手で背中を押し絢を誘導した。
「なになに!?」
そお言いながらも絢は勘づいていた。
心臓音が次第に早くなっていく。。

私がずっと、ずっと会ってみたかった。。。

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