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旅は続くよ

第19章 ごめんね

M「…んだよ…。そんなに俺をドイツにやりてぇの?」

A「…え?」

M「…もう邪魔なんだろ?俺なんか…」

A「潤、何言って…」

M「だってそうだろ?
ニノに告ったから、だから俺なんか邪魔なんだろ?
こんな中途半端な弟はもう要らねぇんだろっ!」

A「中途半端って…何だよ、それ!」

M「中途半端じゃねぇかよっ!」

A「潤っ!」

M「もういいよ、もうどうせ可南子ママはいないんだから!
ホントは兄弟なんかじゃないって、バレたっていいんだから!」

A「…え?…お前…」

M「トボケんなよ!知ってるくせに」

言うつもりはなかった

でも、イライラし過ぎて思わず口走ってた


まー兄が目の前で固まってる

M「なんだ…、やっぱり知ってたんだ…。
俺たち、血の繋がってないって…」


ホントは確信なんかなかった

まー兄や可南子ママが『本当の家族』とか騒ぐたびに

本気なのか

誤魔化そうとしてるのか

分からないでいた

ただ、まー兄は嘘のつけない人だから

あんまり必死になられると

自分に言い聞かせているように見えて…


でも、俺はどっちでも良かった

血の繋がりが無いことを知ってて欲しいような

知らないでいて欲しいような…

そんな風に思ってた



A「そんな…、いつから?」

まー兄の声が震えてる

M「…何が?」

A「…いつから知ってたの…?」

M「…あのババアが俺を最初に引き取りたいって言い出した時だよ。
アイツ言ったんだ。
相葉の家と俺は血の繋がりがない、だから帰って来いって…」


今思い出しても腹が立つ

イケシャアシャアと、

どの口がそんな戯言を口走るのかと目を疑った

自分の母親ながら殴ってやろうかと思ったよ

だけど、最低なのは俺だって同じ

俺だってあの母親と同じなんだ


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