旅は続くよ
第20章 心配だけど
S「で?」
N「で、って…」
S「市報だダメでもさ、他に何か無かった?」
N「…いろいろね、為になりました」
S「はははっ、為になったんだ?」
N「まぁね、刺激になったっつーかね…」
S「…そっか。ならいいけど」
微笑んだ翔ちゃんの顔は何処までも優しく見えた
…そうだね
バカみたいに優しいんだ、この人は
俺の過去の記事を集めて村尾さんに頭下げたように
潤くんの母親の所に殴り込みに行くんじゃないかって、さと兄が心配しちゃう位に
一生懸命優しくしてくれる人なんだね
大事にしてくれてる
翔ちゃんのその思いが俺の胸を暖かくする
ちゃんと翔ちゃんに向き合わなきゃ
そうしなきゃ失礼な気がした
N「仕事先…紹介してくれるって言われたけど…」
S「うん」
N「とりあえず、自分で探す事にした。
可愛がってくれる編集長もいるし」
S「…そっか」
N「ホント、いろいろ刺激になったって言うか…。
仕事探すのもそうだけど、自分をちゃんと見つめるって言うか…」
S「うん」
N「…俺にとってさ、“書く”って何だろうね。それを考えなきゃな…って思った」
S「…うん」
N「俺はさ、大学入って何となく友達とその場限り楽しく過ごして。
就職したって…仕事が何となくやりたい事と違って見えて、んで辞めちゃって。
ライターなんて言ってもさ、フリーターと何処が違うの?って感じでさ…」
S「うん」
翔ちゃんが優しく相槌打ってくれて
人に話しても仕方ないような思いが
止め処なく口から零れてしまう
N「何となく、…ずっと何となく過ごして来た。そんな気がしてたんだけど。
…違うんだ。
変なんだよね、ずっと。
ずっと何をしたらいいのかわからなくてさ…。
ずっとボンヤリしたままで、何かを書く事だって、これでいいのかわからなくて。
でも他にする事も見つからなくて…。
生きてていいのかなって…、
これで俺生きてるって言えんのかな?って…」
S「…うん」
N「母さんが死んだ時からずっと、
母さんは俺を連れて行きたかったんじゃないかって…。
だから、死に損なった体引き摺ってんだよ。俺は、多分…。
きっとあの時、母さんに魂持ってかれたんじゃねーかって…」
S「…うん。でもさ、それは違うんじゃないか?」
そこで初めて翔ちゃんが相槌を打つのを止めた
N「で、って…」
S「市報だダメでもさ、他に何か無かった?」
N「…いろいろね、為になりました」
S「はははっ、為になったんだ?」
N「まぁね、刺激になったっつーかね…」
S「…そっか。ならいいけど」
微笑んだ翔ちゃんの顔は何処までも優しく見えた
…そうだね
バカみたいに優しいんだ、この人は
俺の過去の記事を集めて村尾さんに頭下げたように
潤くんの母親の所に殴り込みに行くんじゃないかって、さと兄が心配しちゃう位に
一生懸命優しくしてくれる人なんだね
大事にしてくれてる
翔ちゃんのその思いが俺の胸を暖かくする
ちゃんと翔ちゃんに向き合わなきゃ
そうしなきゃ失礼な気がした
N「仕事先…紹介してくれるって言われたけど…」
S「うん」
N「とりあえず、自分で探す事にした。
可愛がってくれる編集長もいるし」
S「…そっか」
N「ホント、いろいろ刺激になったって言うか…。
仕事探すのもそうだけど、自分をちゃんと見つめるって言うか…」
S「うん」
N「…俺にとってさ、“書く”って何だろうね。それを考えなきゃな…って思った」
S「…うん」
N「俺はさ、大学入って何となく友達とその場限り楽しく過ごして。
就職したって…仕事が何となくやりたい事と違って見えて、んで辞めちゃって。
ライターなんて言ってもさ、フリーターと何処が違うの?って感じでさ…」
S「うん」
翔ちゃんが優しく相槌打ってくれて
人に話しても仕方ないような思いが
止め処なく口から零れてしまう
N「何となく、…ずっと何となく過ごして来た。そんな気がしてたんだけど。
…違うんだ。
変なんだよね、ずっと。
ずっと何をしたらいいのかわからなくてさ…。
ずっとボンヤリしたままで、何かを書く事だって、これでいいのかわからなくて。
でも他にする事も見つからなくて…。
生きてていいのかなって…、
これで俺生きてるって言えんのかな?って…」
S「…うん」
N「母さんが死んだ時からずっと、
母さんは俺を連れて行きたかったんじゃないかって…。
だから、死に損なった体引き摺ってんだよ。俺は、多分…。
きっとあの時、母さんに魂持ってかれたんじゃねーかって…」
S「…うん。でもさ、それは違うんじゃないか?」
そこで初めて翔ちゃんが相槌を打つのを止めた