旅は続くよ
第22章 分かんないよ
仕事が終わって店の裏口に出ると
ガードレールに座るように寄り掛かってニノが待っていた
A「ごめん。待った?」
N「いーえ。今来たとこ」
ニノが行先も言わずに歩き出すのに付いて行く
行先はわかってるんだ
店の近くの小さな公園
休憩中や仕事帰りに、ニノとよく一緒に行く場所
いつものベンチに座ろうとすると
N「喉乾いたね」
A「あー…、なんか飲む?」
N「缶コーヒー奢ってよ。俺、今日いい事あったんだ」
A「…はいはい」
いい事なんか無くても『奢れ』って言うくせに
そう思いながら、いつもの自動販売機に向かう
コーヒーの種類が幾つかあったけど
ニノの好むコーヒーはちゃんと分かってる
俺の炭酸飲料とニノのコーヒーが、ガコンガコンッと音を立てて落ちてきた
A「はいよ」
N「サンキュ」
A「…いい事って何?」
N「んー?今度話す。まず1番に話さなきゃいけない人がいるから」
A「ふーん…」
生返事をした喉を炭酸飲料の刺激が通り過ぎてく
缶コーヒーを1口煽ってフゥ…をニノが息をついた音が、誰もいない公園に響いた
A「何。…なにか言いたい事があって来たんじゃないの?」
N「いや?むしろ俺が聞きたいよ。アンタ、俺に何か言う事ない?」
俺が?
俺は…
…何を言ったらいいんだろう
頭の中がゴチャゴチャで、
何を言ったらいいのか分かんない
それを素直に口に出すと
N「ふふっ。キャパオーバーってヤツですかね」
ニノは優しく笑った
N「潤くんから聞いちゃった」
何を?
そう聞こうかと思ったけど
何を聞いたかなんか分かってる
N「あ、勘違いすんなよ?
さと兄が無理やり聞きだしたんだからさ」
A「…そう…」
そんなの、どうでもいい
潤がこんな大事な事ペラペラ喋るわけ無いって知ってるから
ただ、
この話を潤はどんな顔で話したんだろう
どんな気持ちでいるんだろう
そればかり凄く気になって
思わず手の中の缶をギュッと握り締めた
ガードレールに座るように寄り掛かってニノが待っていた
A「ごめん。待った?」
N「いーえ。今来たとこ」
ニノが行先も言わずに歩き出すのに付いて行く
行先はわかってるんだ
店の近くの小さな公園
休憩中や仕事帰りに、ニノとよく一緒に行く場所
いつものベンチに座ろうとすると
N「喉乾いたね」
A「あー…、なんか飲む?」
N「缶コーヒー奢ってよ。俺、今日いい事あったんだ」
A「…はいはい」
いい事なんか無くても『奢れ』って言うくせに
そう思いながら、いつもの自動販売機に向かう
コーヒーの種類が幾つかあったけど
ニノの好むコーヒーはちゃんと分かってる
俺の炭酸飲料とニノのコーヒーが、ガコンガコンッと音を立てて落ちてきた
A「はいよ」
N「サンキュ」
A「…いい事って何?」
N「んー?今度話す。まず1番に話さなきゃいけない人がいるから」
A「ふーん…」
生返事をした喉を炭酸飲料の刺激が通り過ぎてく
缶コーヒーを1口煽ってフゥ…をニノが息をついた音が、誰もいない公園に響いた
A「何。…なにか言いたい事があって来たんじゃないの?」
N「いや?むしろ俺が聞きたいよ。アンタ、俺に何か言う事ない?」
俺が?
俺は…
…何を言ったらいいんだろう
頭の中がゴチャゴチャで、
何を言ったらいいのか分かんない
それを素直に口に出すと
N「ふふっ。キャパオーバーってヤツですかね」
ニノは優しく笑った
N「潤くんから聞いちゃった」
何を?
そう聞こうかと思ったけど
何を聞いたかなんか分かってる
N「あ、勘違いすんなよ?
さと兄が無理やり聞きだしたんだからさ」
A「…そう…」
そんなの、どうでもいい
潤がこんな大事な事ペラペラ喋るわけ無いって知ってるから
ただ、
この話を潤はどんな顔で話したんだろう
どんな気持ちでいるんだろう
そればかり凄く気になって
思わず手の中の缶をギュッと握り締めた