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旅は続くよ

第22章 分かんないよ

N「俺はあんまり、…今まで恋愛とか考える余裕なんてなくてさ。
でも実は、アンタが俺をそういう目で見てるって気づいてたかもしんない…。
ふふっ、そんなん言うと自意識過剰なヤツみたいだけどさ」

A「…ううん、いいよ」

だって好きな気持ちを全然隠す気なかったんだもん


N「でもさ、なんか違和感…っつうの?そんな風に感じてて…」

A「違和感?」

N「うん。ホントに相葉さんが好きなのは俺じゃない、って違和感。
…俺は相葉さんの1番じゃないって、心の何処かで感じてたからかな」

A「だから、それは」

N「違うね。いくらアンタがブラコンでも、そんな特別感じゃないよ」

A「…でも、俺が好きだったのはニノだよ…?」

N「んふふ、過去形じゃないの」

A「え…?」

N「相葉さん、今『好きだった』って過去形で言いましたよ?」


『好き』じゃなくて

『好きだった』?

俺、今そう言った?


A「言葉のあやだよ」

N「そう?ふふっ、まぁそれでもいいけどね」

ニノはクスクス笑ってから、缶コーヒーをまた1口煽ってた


N「ねえ。アンタ、潤くんより俺が好きだって言える?」

A「……え?」

N「え?じゃないよ。普通は即答できるもんでしょ、そこは」


だって

頭がちっとも働かないんだ

こんな簡単そうな質問だって答えられないよ


N「相葉さんさ~、むしろ兄弟だから好きになっちゃいけないって、自分で歯止めをかけてんじゃない?」

A「…自分で?」

俺はずっと潤と兄弟でいたかった

とにかく潤にそばにいて欲しくて

すぐに『俺は…』っていう潤を

何とか自分に引き留めていたくって

ずっと兄弟でいたかった


A「…わかんないよ…」

何が正解なのか

自分は何がしたいのか

グルグル、グルグル

いろんな想いがゴチャゴチャに混ざり合ってるんだ



A「…潤は?今どうしてる?」

潤はどうしてるんだろう

泣き顔のまま別れてしまった

潤は今、泣いていないだろうか


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