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旅は続くよ

第24章 帰ってきてよ

M「あの…、実は兄弟ゲンカしちゃって…」

「あら、そうなの?」

M「僕が我侭言って困らせたんです。
それで、兄が怒って出て行っちゃったんで…」

「ふふふっ。あらあら、ま~」

M「今日はそれで謝りに来たんです。
兄もこれで帰ってきてくれると思うんですけど」

「ま~、そうだったの。じゃあ早くお兄さんに謝らないとねぇ」

M「すみません。ご迷惑掛けて…」

「全然。ウチはいいのよ、本当に。
ふふふっ、あなた達兄弟でもケンカする事なんてあるのねぇ」

M「…え?」

「相葉くんからよくあなたの事聞くもの。
頭が良くて可愛い自慢の弟だ、って」


その時、ガチャっと勝手口が開いて

A「…ぅわ!…ビックリしたぁ…」

まー兄がビールの空き瓶ケースを持って顔を出した


A「え…?潤……、え?あ…どうしたんですか?」

「あら、ちょうど良かった」

オーナー夫人が、まー兄の持っていたールケースに手を添えた

「弟さん、話があるんですって」

A「え…、でも…」

「後片付けはいいから。
ちゃんと話していらっしゃい」

半ば強引にケースを奪って片付けると

オーナー夫人は勝手口から店内に戻って行ってしまった




勝手口の外に2人残されて

まー兄が困った顔で俯いてた


A「…何話してたの?」

M「親戚の家で何かつらい事でもあるのか、って」

A「何それ…」

M「まー兄が家に帰ってこないからだよ。
心配してんだよ、皆。
…まあ、俺のせいなんだけど…」

A「…潤、その話は」

M「ダメだよ。俺の話、ちゃんと聞いて」

A「違う、そうじゃなくて。
…ここじゃ何だから…」


まー兄がそう言って、裏の細い路地を歩き出した

俺の顔も見てくれないまま…

俺は黙ってその後を付いていくしかなかった




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