旅は続くよ
第24章 帰ってきてよ
店から少し離れた所にある小さな公園
ブランコにも滑り台にも人影は無くて
まー兄は外灯の近くのベンチに腰を下ろした
俺も黙って隣に座る
少し…いつもより距離を置いて
A「…何?話って…」
まー兄のあまり抑揚の無い声が夜の空気に響いた
…ヤバい
言うべき事は決めてきたのに緊張してきた
M「あの…、まずはゴメン」
A「………」
M「この間俺が言った事…、忘れて欲しいんだ」
A「……忘れてって…、どういう事?」
M「まー兄の事、好きじゃない」
そう告げると、まー兄は俺を見た
見開いたその目は驚きに満ちていて
視線を合わせただけで胸が苦しくなる
でも
言わなきゃ
なるべく平静に
その為にここまで来たんだから
M「あの時は勢いに任せてあんな事言っちゃったけどさ
よくよく考えたら、何か違うんだよね。
だって、兄貴を好きだなんてオカシイじゃん、やっぱり。
有り得ないでしょ、普通」
A「……うそ…」
M「嘘じゃないよ」
A「…嘘だよ、だって」
M「嘘じゃない」
嘘に決まってるよ
こんな嘘こそ、俺にとっては有り得ないんだ
でも、言わなきゃ
時間を取り戻せないなら、嘘にしなきゃ
M「…本当に好きじゃない」
まー兄の見開いた目がみるみる潤んで
綺麗な雫が一筋頬を伝った
また、泣かせた…
A「…そんなの…信じない…っ…」
まー兄の声が震えてる
ポロポロと涙が伝っては落ちる
抱き締めたい…
こんな事、言いたくないよ
今すぐ抱き締めて、『好きだよ』と縋りつきたい
でも…
その衝動をグッと堪えて
M「…信じないったってホントの事だから」
努めて明るい声を出した
M「まー兄は何でも正直に受け止め過ぎだよ。
あんなの本気なワケないじゃん」
何度も考えて頭の中で練習したセリフが
本心でもないのに勝手に口から流れてくる
M「自分のブラコン加減に引いちゃったよ。
まーね、今までも自覚はあったけど。
まさか咄嗟にあんな事言うなんて…
どうかしてたんだよ、俺」
言いながら、どんどん嫌になってきた
こんな嘘も嫌だけど
…俺は、怖いんだ
ブランコにも滑り台にも人影は無くて
まー兄は外灯の近くのベンチに腰を下ろした
俺も黙って隣に座る
少し…いつもより距離を置いて
A「…何?話って…」
まー兄のあまり抑揚の無い声が夜の空気に響いた
…ヤバい
言うべき事は決めてきたのに緊張してきた
M「あの…、まずはゴメン」
A「………」
M「この間俺が言った事…、忘れて欲しいんだ」
A「……忘れてって…、どういう事?」
M「まー兄の事、好きじゃない」
そう告げると、まー兄は俺を見た
見開いたその目は驚きに満ちていて
視線を合わせただけで胸が苦しくなる
でも
言わなきゃ
なるべく平静に
その為にここまで来たんだから
M「あの時は勢いに任せてあんな事言っちゃったけどさ
よくよく考えたら、何か違うんだよね。
だって、兄貴を好きだなんてオカシイじゃん、やっぱり。
有り得ないでしょ、普通」
A「……うそ…」
M「嘘じゃないよ」
A「…嘘だよ、だって」
M「嘘じゃない」
嘘に決まってるよ
こんな嘘こそ、俺にとっては有り得ないんだ
でも、言わなきゃ
時間を取り戻せないなら、嘘にしなきゃ
M「…本当に好きじゃない」
まー兄の見開いた目がみるみる潤んで
綺麗な雫が一筋頬を伝った
また、泣かせた…
A「…そんなの…信じない…っ…」
まー兄の声が震えてる
ポロポロと涙が伝っては落ちる
抱き締めたい…
こんな事、言いたくないよ
今すぐ抱き締めて、『好きだよ』と縋りつきたい
でも…
その衝動をグッと堪えて
M「…信じないったってホントの事だから」
努めて明るい声を出した
M「まー兄は何でも正直に受け止め過ぎだよ。
あんなの本気なワケないじゃん」
何度も考えて頭の中で練習したセリフが
本心でもないのに勝手に口から流れてくる
M「自分のブラコン加減に引いちゃったよ。
まーね、今までも自覚はあったけど。
まさか咄嗟にあんな事言うなんて…
どうかしてたんだよ、俺」
言いながら、どんどん嫌になってきた
こんな嘘も嫌だけど
…俺は、怖いんだ