
旅は続くよ
第37章 兄弟
A「…なに…?」
M「…あのさ」
もうダメだよ
嬉しすぎて、もうどうしようもなくて
今までグズグズ悩んでたのなんかフッ飛んでんだよ
愛しいこの人を今すぐ攫ってしまいたい
M「今夜、帰らなくていい?」
A「…え…?」
M「帰さない。…意味、分かる?」
真っ直ぐに俺を見つめる瞳が僅かに揺れて
A「うん、分かる・・・」
少しだけ息を詰めていたまー兄は、ゆっくりと息を吐いて笑った
A「いいよ・・・」
その刹那、堰を切ったように溢れた想いで何も考えられなくなって
腕を掴んだまま、俺は歩き出した
実は
今日は初めからそのつもりだったんだ
まー兄の思い切りの良さとまるっきり違う、自分のグズグズした感情が意気地なく思えて
今日は一緒に飛び越えたいと思った
だから賭けに負けた時は、言い出すキッカケを失ったと思って凹んだんだけどさ
ただ、“初めて”なんだから、ラブホやビジネスホテルじゃ嫌だ
前からコッソリ予約しておいたホテルに着くと、まー兄が値段を気にして眉を顰めた
昔から内緒で家庭教師のバイトをしているから大丈夫、なんて事は秘密のまま
M「思い出の場所になるんだからさ」
A「…でも…」
M「お願い、まー兄」
無理やり説得して部屋に連れ込んだ
でも、場所なんてどうでも良かった
愛しい人を抱きしめてしまえば、ここが何処だろうと関係なかった
肉付きの薄い肩口に鼻先を埋めると、まー兄の匂いが胸いっぱいに広がった
M「…ホントに…いいの?」
A「何が?」
M「この前言ってた事…。調子乗っていい、って…」
A「ああ…、アレね。くふふっ、勿論いいよ」
相変わらず気軽な感じで言うよね
でも、ちゃんと分かってる
まー兄なりの考えや決意が固まってるから、って事
すごく男らしくて憧れるよ
だから…俺も一緒に飛び越えたいんだ
シャワーを浴びた後、お互いバスローブを着たままベッドの上で抱きしめ合った
M「ハァ…」
A「…ン、ふ…っ…」
キスが深くなるほど、漏れる呼吸が震えだして
まー兄の手が何かを何かを探すように、俺の髪をグチャグチャに撫で回す
俺の手も無意識にまー兄の後頭部や首を這い回って、ふと耳元に触れた時
A「…ぁン…ッ」
まー兄が可愛らしい声を上げて、ピクンと体を揺らした
M「…あのさ」
もうダメだよ
嬉しすぎて、もうどうしようもなくて
今までグズグズ悩んでたのなんかフッ飛んでんだよ
愛しいこの人を今すぐ攫ってしまいたい
M「今夜、帰らなくていい?」
A「…え…?」
M「帰さない。…意味、分かる?」
真っ直ぐに俺を見つめる瞳が僅かに揺れて
A「うん、分かる・・・」
少しだけ息を詰めていたまー兄は、ゆっくりと息を吐いて笑った
A「いいよ・・・」
その刹那、堰を切ったように溢れた想いで何も考えられなくなって
腕を掴んだまま、俺は歩き出した
実は
今日は初めからそのつもりだったんだ
まー兄の思い切りの良さとまるっきり違う、自分のグズグズした感情が意気地なく思えて
今日は一緒に飛び越えたいと思った
だから賭けに負けた時は、言い出すキッカケを失ったと思って凹んだんだけどさ
ただ、“初めて”なんだから、ラブホやビジネスホテルじゃ嫌だ
前からコッソリ予約しておいたホテルに着くと、まー兄が値段を気にして眉を顰めた
昔から内緒で家庭教師のバイトをしているから大丈夫、なんて事は秘密のまま
M「思い出の場所になるんだからさ」
A「…でも…」
M「お願い、まー兄」
無理やり説得して部屋に連れ込んだ
でも、場所なんてどうでも良かった
愛しい人を抱きしめてしまえば、ここが何処だろうと関係なかった
肉付きの薄い肩口に鼻先を埋めると、まー兄の匂いが胸いっぱいに広がった
M「…ホントに…いいの?」
A「何が?」
M「この前言ってた事…。調子乗っていい、って…」
A「ああ…、アレね。くふふっ、勿論いいよ」
相変わらず気軽な感じで言うよね
でも、ちゃんと分かってる
まー兄なりの考えや決意が固まってるから、って事
すごく男らしくて憧れるよ
だから…俺も一緒に飛び越えたいんだ
シャワーを浴びた後、お互いバスローブを着たままベッドの上で抱きしめ合った
M「ハァ…」
A「…ン、ふ…っ…」
キスが深くなるほど、漏れる呼吸が震えだして
まー兄の手が何かを何かを探すように、俺の髪をグチャグチャに撫で回す
俺の手も無意識にまー兄の後頭部や首を這い回って、ふと耳元に触れた時
A「…ぁン…ッ」
まー兄が可愛らしい声を上げて、ピクンと体を揺らした
