
旅は続くよ
第38章 今さら
S「…別に悩んだりしてねーよ。会いたいなんて思ってねーし」
N「それでも。お父さんに残された時間は僅かなんでしょ?迷ってたんじゃないの?」
S「迷ってない…!」
N「じゃあ、なんでイライラしてんの?本当に関係ないと思ってるなら放っておいても平気な筈じゃない」
S「…平気だって言ってんだろっ」
N「嘘つかないでよ!じゃあなんでそんな苦しそうな顔してんの?」
別に追いつめたいワケじゃないんだ
翔ちゃんの苦しそうな顔なんか、見たいわけない
N「ごめん。…翔ちゃん、ごめんね…」
でも、こうでもしなきゃ本音なんて引き出せない
俺は、どうしてもやんなきゃいけないんだ
翔ちゃんのためにも
さと兄のためにも
多分、自分のためにも
N「無理やりな事言ってごめん…」
ふて腐れたような苦しいような表情で、少し視線を逸らしてる
そんな翔ちゃんを見てたら、俺まで苦しくなってまた涙が滲んできた
そんな場合じゃないのに
俺が苦しんでる場合じゃないのに
N「…1人で苦しまないでよ、翔ちゃん」
S「ニノ……?」
N「俺に…、俺にも翔ちゃんの苦しみを分けてよ…」
あなたがそうしてくれたように
俺もあなたの力になりたい
ううん、力になんてなれなくたって
寄り添うくらいは俺にだって出来るでしょう…?
「…バカ」
翔ちゃんが困ったように眉を下げて、俺の頭をクシャリと撫でた
S「…お前、なんか今日泣き虫だな…」
N「…泣いてねーって」
S「はいはい…」
泣かないようにスンッと鼻を啜って、また1つ気づいちゃった
バカだな、俺…
そういや泣いたりするのって、翔ちゃんの前ばっかりだ
…前から好きだったんじゃん
バカみたい
あんなに『恋愛は無理』だなんて頑なに思ってたくせに
実は、ちゃんと翔ちゃんが好きだったなんて
こうして今さら1つ1つ気づいていくなんて
ホント…大バカじゃん
N「それでも。お父さんに残された時間は僅かなんでしょ?迷ってたんじゃないの?」
S「迷ってない…!」
N「じゃあ、なんでイライラしてんの?本当に関係ないと思ってるなら放っておいても平気な筈じゃない」
S「…平気だって言ってんだろっ」
N「嘘つかないでよ!じゃあなんでそんな苦しそうな顔してんの?」
別に追いつめたいワケじゃないんだ
翔ちゃんの苦しそうな顔なんか、見たいわけない
N「ごめん。…翔ちゃん、ごめんね…」
でも、こうでもしなきゃ本音なんて引き出せない
俺は、どうしてもやんなきゃいけないんだ
翔ちゃんのためにも
さと兄のためにも
多分、自分のためにも
N「無理やりな事言ってごめん…」
ふて腐れたような苦しいような表情で、少し視線を逸らしてる
そんな翔ちゃんを見てたら、俺まで苦しくなってまた涙が滲んできた
そんな場合じゃないのに
俺が苦しんでる場合じゃないのに
N「…1人で苦しまないでよ、翔ちゃん」
S「ニノ……?」
N「俺に…、俺にも翔ちゃんの苦しみを分けてよ…」
あなたがそうしてくれたように
俺もあなたの力になりたい
ううん、力になんてなれなくたって
寄り添うくらいは俺にだって出来るでしょう…?
「…バカ」
翔ちゃんが困ったように眉を下げて、俺の頭をクシャリと撫でた
S「…お前、なんか今日泣き虫だな…」
N「…泣いてねーって」
S「はいはい…」
泣かないようにスンッと鼻を啜って、また1つ気づいちゃった
バカだな、俺…
そういや泣いたりするのって、翔ちゃんの前ばっかりだ
…前から好きだったんじゃん
バカみたい
あんなに『恋愛は無理』だなんて頑なに思ってたくせに
実は、ちゃんと翔ちゃんが好きだったなんて
こうして今さら1つ1つ気づいていくなんて
ホント…大バカじゃん
