
旅は続くよ
第38章 今さら
N「大野のお父さんはそんな事思ってない。裏切られたなんて思ってないに決まってんじゃないの
さと兄だってそうだよ。あの人がそんな事思うワケないじゃない。違う?」
さと兄の、困ったように眉を下げて『頼むよ』と言った顔が頭に浮かんだ
思い出して、翔ちゃん
あなたの兄貴はそんな度量の狭い男じゃないって、分かってるでしょ?
N「それに、前、翔ちゃん俺に言ったよね?死んだ人の気持ちはわからないって…
俺の母さんの気持ちを勝手に決めちゃダメだって、俺に言ったよね?
だったら翔ちゃんも思っちゃダメだよ!
裏切りだなんて…。大好きなお父さんを、そんな気持ちの狭い人みたいに言っちゃダメだよ!」
翔ちゃんがますます苦しそうな顔をしてる
なんでだよ
おかしいよ
優しい人が振り回されて苦しんでる
人の事ばかり気にして、人の想いに答えようとして、それで苦しむなんて
そんな理不尽な事ってある?
N「怒ろうよ、翔ちゃん」
S「……え?誰に……」
N「死に掛けのジジイに。会って文句言ってやんなよ」
怒っていいんだよ
お前のせいで苦しいんだって
今さら振り回すなよバカヤローって
怒鳴ったっていいんじゃない?
さと兄だってそうだよ。あの人がそんな事思うワケないじゃない。違う?」
さと兄の、困ったように眉を下げて『頼むよ』と言った顔が頭に浮かんだ
思い出して、翔ちゃん
あなたの兄貴はそんな度量の狭い男じゃないって、分かってるでしょ?
N「それに、前、翔ちゃん俺に言ったよね?死んだ人の気持ちはわからないって…
俺の母さんの気持ちを勝手に決めちゃダメだって、俺に言ったよね?
だったら翔ちゃんも思っちゃダメだよ!
裏切りだなんて…。大好きなお父さんを、そんな気持ちの狭い人みたいに言っちゃダメだよ!」
翔ちゃんがますます苦しそうな顔をしてる
なんでだよ
おかしいよ
優しい人が振り回されて苦しんでる
人の事ばかり気にして、人の想いに答えようとして、それで苦しむなんて
そんな理不尽な事ってある?
N「怒ろうよ、翔ちゃん」
S「……え?誰に……」
N「死に掛けのジジイに。会って文句言ってやんなよ」
怒っていいんだよ
お前のせいで苦しいんだって
今さら振り回すなよバカヤローって
怒鳴ったっていいんじゃない?
