テキストサイズ

旅は続くよ

第39章 見えてなかった

S「へ?」

M「え?」

O「ん?」

S「…お前、何言ってんの?」

M「…はぁ?」

O「…んん?」

S「…え?」

M「まさか、翔兄…。俺らの事知らねーの?」

S「…何が?」

何言ってんだ?

お前らの事なんかガキの頃から知ってるけど?


M「嘘だろ!?」

O「え、なんで?」

S「何の事だよ!?」

M「さと兄!翔兄に言ってねーの?」

O「え、俺ぇ!?」

M「だって、そんなの俺らから言えねーじゃん!」

O「いや、だって一緒に暮らしてればわかるだろぉ?」

M「現に翔兄、わかってねーし!」

O「俺のせいかよ!?」

S「ねえ、何の話だよっ?」


何の話かサッパリ見えずに聞いただけなのに

OM「「…この、鈍感っ!」」

2人に声を揃えて罵られ、俺はワケもわからず目が丸くなるだけ

固まる俺を見て、今度は2人揃って深い溜め息をついた

一体、何なんだよ!?


M「ま、いーや…。俺、風呂入ってくるわ」

O「おう…。そーしろ」

M「さと兄、あと頼んだよ」

O「わぁーった」

やおら立ち上がった潤は、最後に俺を残念そうに見て

首を横に振りながら風呂場へと去って行った


S「ちょっ…、何なの一体!?」

O「翔くん、落ち着け」

S「落ち着いてるよ、俺はっ」

O「ふふっ、どーだかなぁ」

智くんは困ったようにフニャンと眉を下げて笑った


O「潤は雅紀が好きだったの、知ってる?」

S「…知らない。初耳…」

O「ふふっ、なんで気づかないかなぁ…、まあいいや
とにかく潤は長い事片想いでさ、雅紀はそれに応えたの」

S「…付き合ってる、って事?」

O「そういう事」

S「…嘘ぉ~!」

付き合ってる?雅紀と潤が?

『ラブラブなんだから邪魔しないでね』って、マンマそういう意味!?


S「兄弟だよ?」

O「堅いこと言うなよ。いーじゃねーか」

S「いやまあ、いいけどさ…。え?じゃあニノは?」

O「へ、ニノ?」

S「だって、ニノと雅紀は付き合ってるんじゃ…」

思い出す

夕暮れの坂道で手を繋いでる2人

いつにも増して仲良さそうにジャレ合う2人

ストーリーメニュー

TOPTOPへ