
旅は続くよ
第40章 もう少しだけ
N「ふふっ。難しい試験受けるのに、相葉さんの応援が役に立つの?」
気を紛らわすように少しからかった口調に変えた
M「立つよ、1番」
N「ご利益無さそう」
M「あるある、超あるって。まー兄って強運じゃん」
N「あ~、それは確かに。ってか運だけで乗り切ってっからねぇ、あの人」
M「俺にはああいうミラクル無いからさ」
N「いいのよ、潤くんは努力の人なんだから。
まあ、でも…相葉さんの応援ねぇ…。どんな応援なんだか」
M「…応援は応援だよ」
N「やだ潤くん。ヤラシイ顔になってる」
M「なってねぇ!」
N「あ、味噌汁グツグツ言ってるよ」
顔を赤くして乱暴に鍋の火を消す潤くんにクスクス笑ってみせても
まだ心は晴れやしない
晴れるわけも無いんだけど…
O「いい匂いだなぁ。腹減ったぁ…」
さと兄が店からフラフラと台所にやって来て
N「店番してろよ。まだ終わりじゃないでしょ?」
今度はさと兄で憂さ晴らしを始める
O「いーよ、もう。高校生どもも帰ったしさぁ」
N「これから会社員とかが来る時間帯じゃん。稼ぎ時なんじゃない?」
O「腹減ったんだもん」
N「働かざる者食うべからず、って知らねーの?」
O「大丈夫だよ。客来たらチャイム鳴るし」
さと兄がそう言って、出してあった漬物に手を伸ばした時
古書店のガラス戸が開くチャイムが鳴った
N「んふふっ。ほら、客」
O「ちぇっ」
素早く漬物1つ掻っ攫ってノロノロと店に戻る後ろ姿を笑っても
憂さ晴らしになんか、なりはしなかった
気持ちが塞ぐ原因なんか、分かってる
この家での生活の終わりが見えてきたからだ
今日、父親に電話した
手元にあった父親の僅かな荷物を渡す事を口実に会う約束は、拍子抜けするくらいスンナリ決まった
アイツに会うのは気が進まないけど、自分で決めた事だから
翔ちゃんのためだから全然構わないんだ
だけど、それを果たしたら…
いよいよ出て行かなきゃ
1人立ちしなきゃ
温かいこの場所から、翔ちゃんから離れて…
何度も、あの日から何度も考えて覚悟を決めたはずなのに
いよいよとなると…
M「ニノ、皿並べて」
N「はいよ」
考えても仕方ない
今だけは、忘れたい
振り切るように他愛ない事を潤くんと喋りながら食卓に皿を並べてると、さと兄が戻ってきた
気を紛らわすように少しからかった口調に変えた
M「立つよ、1番」
N「ご利益無さそう」
M「あるある、超あるって。まー兄って強運じゃん」
N「あ~、それは確かに。ってか運だけで乗り切ってっからねぇ、あの人」
M「俺にはああいうミラクル無いからさ」
N「いいのよ、潤くんは努力の人なんだから。
まあ、でも…相葉さんの応援ねぇ…。どんな応援なんだか」
M「…応援は応援だよ」
N「やだ潤くん。ヤラシイ顔になってる」
M「なってねぇ!」
N「あ、味噌汁グツグツ言ってるよ」
顔を赤くして乱暴に鍋の火を消す潤くんにクスクス笑ってみせても
まだ心は晴れやしない
晴れるわけも無いんだけど…
O「いい匂いだなぁ。腹減ったぁ…」
さと兄が店からフラフラと台所にやって来て
N「店番してろよ。まだ終わりじゃないでしょ?」
今度はさと兄で憂さ晴らしを始める
O「いーよ、もう。高校生どもも帰ったしさぁ」
N「これから会社員とかが来る時間帯じゃん。稼ぎ時なんじゃない?」
O「腹減ったんだもん」
N「働かざる者食うべからず、って知らねーの?」
O「大丈夫だよ。客来たらチャイム鳴るし」
さと兄がそう言って、出してあった漬物に手を伸ばした時
古書店のガラス戸が開くチャイムが鳴った
N「んふふっ。ほら、客」
O「ちぇっ」
素早く漬物1つ掻っ攫ってノロノロと店に戻る後ろ姿を笑っても
憂さ晴らしになんか、なりはしなかった
気持ちが塞ぐ原因なんか、分かってる
この家での生活の終わりが見えてきたからだ
今日、父親に電話した
手元にあった父親の僅かな荷物を渡す事を口実に会う約束は、拍子抜けするくらいスンナリ決まった
アイツに会うのは気が進まないけど、自分で決めた事だから
翔ちゃんのためだから全然構わないんだ
だけど、それを果たしたら…
いよいよ出て行かなきゃ
1人立ちしなきゃ
温かいこの場所から、翔ちゃんから離れて…
何度も、あの日から何度も考えて覚悟を決めたはずなのに
いよいよとなると…
M「ニノ、皿並べて」
N「はいよ」
考えても仕方ない
今だけは、忘れたい
振り切るように他愛ない事を潤くんと喋りながら食卓に皿を並べてると、さと兄が戻ってきた
