旅は続くよ
第45章 重なる想い
S「なんだよ、これ…」
これは部屋の掃除なんてレベルじゃない
まるで…、この家から出て行こうとしてるみたいだ
S「どういう事…?」
N「や、これは……」
困ったように押し黙る
『これは』って、どういう事だよ…!
S「お前、まさか…」
N「だって…、だって翔ちゃんが言ったんじゃん。『出てけ』って…」
S「……!」
忘れ掛けてた少し前の話
あんなの…みっともない八つ当たりみたいな言葉だった
渦巻いた自分の感情を持て余して、言い放ったその場限りの心無い言葉
それをニノがずっと気にしてたなんて…!
S「いや、あれは・・・」
N「いいの、気にしないで。当然だと思うもん」
無理やり作る笑顔が俺の胸を刺す
N「だってほら、もともと金に困って転がり込んで来たワケじゃないんだしさ」
S「違うんだ、ニノ」
N「違わないよ。だって俺、翔ちゃんに1人で立てるようにしてもらったんだもん。
自分の事は自分で出来るんだってとこ、ちゃんと見せなきゃね」
S「いいんだよ、そんなの・・・」
もう笑うなよ
強がるな
まるで震えているように見えるよ
次第にその笑顔が少しずつ萎んでいく
S「ごめん…、あんなの本心じゃなかったんだ。だから出ていかなくていいんだよ」
N「だって、もう・・・・・・俺が此処にいていい理由なんか・・・」
S「俺が頼んでんだからいいんだよ。ニノに此処にいて欲しいんだ、俺が」
ニノが今にも消えてしまいそうな気がして、細い肩を両手でしっかり掴んだ
消えないで
此処にいて
俺の傍にいて欲しいんだ
S「ずっと此処にいろよ・・・。頼むよ・・・」
キミのいない家なんて考えられない
キミの笑い声が聞こえないなんて考えたくもない
S「・・・好き、なんだ・・・・・・」
往生際の悪い告白
驚くニノの瞳が揺れて
笑顔の消えた表情が少しだけ歪んだ
S「・・・ごめん。諦めが悪くて・・・」
N「・・・・・・翔ちゃ・・・」
S「ごめん、分かってるんだ。別に困らせるつもりなんかないし、俺が勝手に言ってるだけだから」
ニノの眉尻が少しずつ困ったように下がってく
ダメだ
失敗した
こんな事を言えば、キミが出て行ってしまうのを止められるワケ無いのに
これは部屋の掃除なんてレベルじゃない
まるで…、この家から出て行こうとしてるみたいだ
S「どういう事…?」
N「や、これは……」
困ったように押し黙る
『これは』って、どういう事だよ…!
S「お前、まさか…」
N「だって…、だって翔ちゃんが言ったんじゃん。『出てけ』って…」
S「……!」
忘れ掛けてた少し前の話
あんなの…みっともない八つ当たりみたいな言葉だった
渦巻いた自分の感情を持て余して、言い放ったその場限りの心無い言葉
それをニノがずっと気にしてたなんて…!
S「いや、あれは・・・」
N「いいの、気にしないで。当然だと思うもん」
無理やり作る笑顔が俺の胸を刺す
N「だってほら、もともと金に困って転がり込んで来たワケじゃないんだしさ」
S「違うんだ、ニノ」
N「違わないよ。だって俺、翔ちゃんに1人で立てるようにしてもらったんだもん。
自分の事は自分で出来るんだってとこ、ちゃんと見せなきゃね」
S「いいんだよ、そんなの・・・」
もう笑うなよ
強がるな
まるで震えているように見えるよ
次第にその笑顔が少しずつ萎んでいく
S「ごめん…、あんなの本心じゃなかったんだ。だから出ていかなくていいんだよ」
N「だって、もう・・・・・・俺が此処にいていい理由なんか・・・」
S「俺が頼んでんだからいいんだよ。ニノに此処にいて欲しいんだ、俺が」
ニノが今にも消えてしまいそうな気がして、細い肩を両手でしっかり掴んだ
消えないで
此処にいて
俺の傍にいて欲しいんだ
S「ずっと此処にいろよ・・・。頼むよ・・・」
キミのいない家なんて考えられない
キミの笑い声が聞こえないなんて考えたくもない
S「・・・好き、なんだ・・・・・・」
往生際の悪い告白
驚くニノの瞳が揺れて
笑顔の消えた表情が少しだけ歪んだ
S「・・・ごめん。諦めが悪くて・・・」
N「・・・・・・翔ちゃ・・・」
S「ごめん、分かってるんだ。別に困らせるつもりなんかないし、俺が勝手に言ってるだけだから」
ニノの眉尻が少しずつ困ったように下がってく
ダメだ
失敗した
こんな事を言えば、キミが出て行ってしまうのを止められるワケ無いのに