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旅は続くよ

第46章 あまあまな気持ち

S「うん…」

立ち上がりかけてた翔ちゃんは、真っ直ぐに俺を見て

S「…ずっと、傍にいてくれよな……」

優しい声で囁いた


もう…、なんなの!?

今日の翔ちゃんは甘ーい気持ちがダダ漏れじゃないか!

N「…うん。ずっと、いるよ…」

S「ホントに?」

N「もうっ…、いるったら…」

コッチの顔が赤くなるわっ!

そんな俺を見て、さすがに翔ちゃんも顔を赤くして

S「ほらっ、部屋行くぞ」

サッサとリビングを出て行ってしまった




部屋の片づけは思いのほか早く進んでく

掃除も兼ねてドアや窓も開け放つと、部屋の熱気も逃げて気持ちいい風が抜ける

何日もかけて荷造りした段ボール箱はあっという間に畳まれてく


N「ちょっと翔ちゃん、そんなドンドン入れちゃわないでよ」

S「ええっ、ダメ?」

N「順番があんの。本は作家別に並べたいから」

S「そんなの後で並べ替えろよ」

グチャグチャに入れられた本棚整理すると、今度は衣類をクローゼットにドンドン詰め込まれる

S「おっ、パンツ」

N「ちょっ、広げんなや!」

S「…尻ちっちゃいもんな…」

N「なんか目線がヤラしーんですけど?」

2人でワチャワチャしてる内に、荷物は殆ど何処かに収まっていった


S「あ、これ…」

翔ちゃんが手に取ったのは古いアルバム

N「ああ、懐かしー…」

S「見てもいい?」

N「うん」

2人床の上に並んで座って眺めるアルバムは、産まれ立ての俺が母さんに抱かれてる写真から始まる


S「面影あるな」

N「そう?」

S「うん。目元とか…可愛い」

赤ちゃんの頃なんて誰だって可愛いもんだよ

それでも翔ちゃんに言われると、また違って聞こえるんだ

S「あ、ヌード写真発見」

N「言い方!やめて?微笑ましい写真じゃないの」

それはビニールプールで遊ぶ2歳くらいの写真で

まあ確かに真っ裸だけどさ

S「可愛いな~」

N「ちょっと。ドコ見て言ってんのよ」

S「いやいやいや、全体的にだよ」

N「顔つきがヤラしーんだよ」

S「そんな事ないだろ」

N「ふふっ、今更そんなキリッとした顔しても遅いわ」

2人で頭を寄せ合ってページを捲っていく度に、写真の中の俺は大きくなっていく

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