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旅は続くよ

第46章 あまあまな気持ち

S「こうやってニノが出来ていったんだなぁ…」

N「誰だってそうでしょ」

S「うん。でも…、俺は大人のニノしか知らないし」

N「まあ…、心まで大人だったかどうかは疑問だけど」

S「そんなの俺だって同じだよ」

床に置いていた俺の手に、翔ちゃんがそっと手を重ねる

2人の間がまた少し縮まって、肩と肩が触れ合う距離に俺の心臓がまたドキンと跳ねた


S「こうやって…知らない所で育ったニノと巡り合えたんだな…」

N「…そうだね」

S「感謝してる。ウチに来てくれた事に…」

N「ふふっ。俺、最初翔ちゃんのことおっかないって思ってた」

S「嘘。なんで?」


思い出す

この家のドアを最初に開けてくれたのは翔ちゃんだった


『…どちら様?』

『えっと、二宮です』

『…はぁ……』

『今日からお世話になる…』

『はあ?』

『…相葉さんいます?』

『…雅紀に何の用?』

形のいい眉を顰めて、大きな目で怪しそうに俺を見てたっけ


N「俺ね、翔ちゃんの第一印象最悪だったかも」

S「ええっ!?嘘だろ?」

N「だぁって家族会議開いちゃってさ」

S「あ~、やったなぁ…。やったやった」

N「相葉さんとさと兄に『ごめんなさいは?』って怒ってたよね」

S「…そうだっけ」

N「そうだよ。俺だって怒鳴られたんだから。初対面なのにさ、『きちんと働いて金貯めろ!』って」

S「んははっ。何様だ、俺」


そうだったね

最初っから翔ちゃんは俺を叱ってくれてた

ずっと励ましてくれてた

“可哀そうな自分”に甘えて蹲ってた俺を

ずっとずっと立たせようとしてくれてたんだ


S「…今も印象最悪?」

N「…んなワケないでしょ?」

触れ合ってた肩にコテンと頭を乗せた

N「昨日言いましたよね。忘れちゃった?」

S「…なんだっけ」

N「嘘つけ」

S「…また聞きたいんだよ」

低く囁くような声が耳元で聞こえる

翔ちゃんの声、大好き

声までくそイケメンなんだから嫌になっちゃうね

これで惚れないなんてさ…

無理だもん


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