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旅は続くよ

第5章 一緒にコタツ

智くんが座布団に突っ伏して

まるで2人きりになったような空間

TVで流れるのは、よくあるグルメリポート的なもの

さっき潤の作った美味いモン食ったばっかりだから、余裕で見てられるけど

それでもいちいち「美味そう」と反応する俺を見て、ニノがクスクス笑った


N「翔ちゃんはホント食いしん坊だね」

S「だってウマそうじゃね?」

N「ん~、俺けっこう好き嫌いあるから」

S「少食だしな」

N「翔ちゃんや相葉さんと比べればね?わりと普通だと思うけど」

S「そうか~?ご飯なんて茶碗にチョットしか盛らねーじゃん」

N「アンタ達が盛り過ぎなんだって。…あ、ココ知ってる」


ニノが指差したTV画面には、街の洋食屋らしい小さな店舗

レポーター役の局アナと芸人にイジられながら

ニコニコと愛想の良い店主がお薦めの料理を出している


N「あ~そうそう、この人!ふふっ、くっだらないダジャレ言うんだよね~」

S「何、知り合い?」

N「前に取材した事あんの、ココ。穴場の人気店なんだって」

S「へ~…」


芸人がウマイウマイと大騒ぎしながら食べてるのはビーフシチュー

1日かけて煮込んだというそれは確かに美味そうだ


S「フリーライターって言ってたけど、そういう記事書いてんだ」

N「何でも屋なのよ。ま~、そう言うと聞こえがいいんだけどさ
要は仕事選べる立場じゃないからね。ご注文頂ければ何でも書きますよ?」

S「最近はどんなの書いてんの?」

N「先週だしたのはね、『おウチで気軽エクササイズグッズ』って記事。今流行ってんだって」

S「へ~。どの本に載るの?雑誌?いつ発売?」

N「え、まさか買う気?」

S「なんだよ。買っちゃ悪い?」

N「いいよ。だって女性誌よ?翔ちゃんが読むようなのじゃないって」


それでもいいのに

そりゃ男が女性誌を本屋のレジに持ってくのは、

エロ本とは違った緊張が走るのかも知んないけど


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