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旅は続くよ

第5章 一緒にコタツ

M「お風呂お先でした~。次、誰入る?」

潤が風呂から上がってきて、リビングにやって来た

2人だけの空間が急に賑やかになる


今、いい雰囲気だったのにな…

って何考えてんだ、俺

心の隅で感じた事を慌てて打ち消した


N「俺はまだいいや。翔ちゃん、入ってきたら?」

S「…うん。そ、だな…」

何となく、この場を離れがたい気がしたけど

そんな俺をお構いなしに潤とニノが喋りだす

N「あ、そうだ。潤くん、この前言ってたアレ」

M「何、アレって」

N「ほら、でっかい蜘蛛がいて中々城に入れないって言ってた…」

M「あー、ゲームの。アソコね」

N「あっさり入れたよ?俺」

M「うっそ。マジで」

急に知らない話で盛り上がり始めちゃって

俺は1人、風呂場に向かった



湯船につかっていても

ニノと2人で過ごしたリビングでの様子が頭から離れない

ハニかんだ顔

照れた顔

次々と浮かんでは消える


自分でも不思議だと思う

どうしてこんなにも気になるんだろう…

知り合って間もない“二宮和也”という男が

話せば話す程

知れば知る程

心の中に忍び込んでくる

時々、可愛くて捏ねくり回したい気持ちになって

時々、歯がゆいような焦れた気持ちになって

気になって仕方がない

目が離せないんだ…



何となく急いた気分で風呂から上がると

リビングには潤の代わりに雅紀の姿があった


S「…あ、おかえり」

俺が声を掛けると楽しげに話していた2人は

A「あ、翔ちゃん。ただいま~」

N「風呂、あがったんだ?」

会話中の笑顔のまま答える


S「あ、うん…。お先でした」

俺は所在無く突っ立ったまま

雅紀が座って話してる場所は、俺が座ってた場所なのに

さっきまでそこに座ってニノと話してたのは俺だったのに

そんな思いで動けずにいた



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