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旅は続くよ

第8章 一緒に寝ようよ 翔編

さて…

一緒に布団に入ったはいいが、どうしたらいいのか分からない

まず、どんな体勢をとったらいいんだろうか

向き合ったらいいのか?

眠れないっつーんだから、抱きしめてやるとか?

いやいや、それは幾らなんでも無理だろ!

かと言って背中を向けるのも拒否してるみたいでナンだし

仰向け?

それが1番無難なのか?


N「どしたの?翔ちゃん」

S「のわっ!何が何が?」

N「いや、なんかさっきからモゾモゾして…。落ち着かない?」

S「そんな事ないない。落ち着く、落ち着いてる」

N「ふふっ。全然落ち着いてねーじゃん」


ニノが仰向けで笑ってるから

俺もそれに習って仰向けになって

うぅ~

ちょっと緊張するかも…


ニノと隣り合ってる右半身が固まっちまう

触れそうな距離で感じるニノの体温が、俺の脈拍を上げる


N「翔ちゃん…?」

S「…ん?」

N「なんだ…。静かだからもう寝ちゃったのかと思った」

S「そんなすぐ眠れねーよ」

すぐどころか、この調子じゃ今夜は眠れるかどうかも怪しい


N「…ねえ、なんか喋ってよ」

S「喋ってたら眠れねーだろ?」

N「黙ってたら緊張する…。初めてだもん、翔ちゃんの部屋」

ニノのシングルベッドよりも俺のベッドの方がデカイから連れてきたんだけど

S「ニノの部屋の方が良かった?」

N「別に目を瞑りゃ何処でも同じだからいいんだけどさ」

もしかしたら、ニノも少しは緊張してるのかも知れない

そう思ったら、落ち着いてきた

俺が緊張してる場合じゃない


S「何か喋れったって…」

N「あのさ…、誰かから、何か聞いた?」

S「…何を?」

N「俺が眠れない事…」

ニノの方に頭だけ向けると、薄明かりの中、天井を向いたままの顔が浮かんで見えた


S「潤から…不眠症だって事だけ。昔からで、潤もよく一緒に寝てたって…」

N「…それだけ?」

S「それだけだよ」

N「そっか。…だよね。相葉さんはペラペラ喋る男じゃないもんね」

S「ごめん。潤だって、俺が聞いたからだよ?しつこく聞いたから」

N「あー、いーのいーの。そういうんじゃないの。変な風に伝わってたらやだなぁって、それだけだから」


少しクスリと笑ったようだけど

ベッドサイドシェードの僅かな灯りがニノの顔に影を落として、よく見えない

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