
雨が夕日に変わるとき
第1章 雨が夕日に変わるとき
「ごめんな。俺、綾芽ちゃんがネットであんな風に好きだって言ってくれて、傷つけたくないからって気のあるような振りして、綾芽ちゃんのためだからって……俺、間違っていたんだよな」
将ちゃんは、拗ねた子犬のような顔で座り込む。将ちゃんの気持ちは初めから分かっていた。不器用で恋愛下手なんだってこと。優しすぎて、その優しさが私との過ちを犯してしまったんだってこと。
「ううん、私の方こそごめん」
愛しているよとか好きだとか将ちゃんから一言も聞かされたことなんてなかった。将ちゃんはただ私の頼んだことを叶えてくれているだけだった。携帯の待ち受け画面だって子どもの写真のまま。私と取ったプリクラは財布の中に入ったまま。私のせいでこれ以上、将ちゃんを巻き込むわけにはいかない。ううん、最初から巻き込むべきではなかった。
将ちゃんは、拗ねた子犬のような顔で座り込む。将ちゃんの気持ちは初めから分かっていた。不器用で恋愛下手なんだってこと。優しすぎて、その優しさが私との過ちを犯してしまったんだってこと。
「ううん、私の方こそごめん」
愛しているよとか好きだとか将ちゃんから一言も聞かされたことなんてなかった。将ちゃんはただ私の頼んだことを叶えてくれているだけだった。携帯の待ち受け画面だって子どもの写真のまま。私と取ったプリクラは財布の中に入ったまま。私のせいでこれ以上、将ちゃんを巻き込むわけにはいかない。ううん、最初から巻き込むべきではなかった。
