
雨が夕日に変わるとき
第1章 雨が夕日に変わるとき
一人の帰り道、約束通り、アドレスも友達リストも消してしまった。戻るべき道にお互い戻っただけ。過ちをこれ以上重ねてしまわぬようにしただけ。この選択は何も間違っていない。頭の中に響くのは最後の将ちゃんの言葉。
だけど私が好きなのは……。この想いを伝えてもいいものか。前に進めば戻れない。そのことは分かっている。
将ちゃんとの関係も私が本当に好きだったのなら戻れていなかったのかもしれない。この気持ちを伝えることで、友達関係が崩れて離れてしまうことになるのも怖い。だけどいつまでも立ち止まっているわけにはいかない。眞子ちゃんに好きと言おう。私は眞子ちゃんにメールを送る。
[今日はごめんね。明日、話したいことあるから放課後いいかな?]
進むのかも知れない。終わってしまうのかもしれない。それでも私はもう決めたのだ。
その後、眞子ちゃんからの返事はなかった。
