
雨が夕日に変わるとき
第1章 雨が夕日に変わるとき
「……ってことなの」
「そっかぁ。辛かったんだね」
「そんなことないよ。私、将ちゃんがいたから頑張れたんだ」
「そっか」
眞子ちゃんの俯きがちに少し戸惑った表情に申し訳なく思ってしまう。だけど、これからその好きな人の話をしなきゃいけないことを考えると、心の中はもっと重くなる。だけど、ここまできて黙っているわけにはいかない。私は意を決して、口を開く。
「それでね、さっき言った好きな人なんだけど……」
「うん」
「眞子ちゃんなんだ」
「えっ?」
眞子ちゃんの声は裏返っている。
